ニキビは、皮脂の分泌が盛んな毛穴にアクネ杆菌が繁殖して化膿する病態です。現代医学によるニキビの治療は外用薬が主体となりますが、重症の場合は殺菌を目的として抗生物質が使われます。しかし抗生物質を長く服用し続けることは腸内細菌叢を変化させニキビがなかなか改善しない原因の一つともなり、副作用の出現を最低限に抑えるためにも抗生物質の使用は短期にすべきです。また皮脂を取り除いたり殺菌したりするだけでは容易に再発するニキビに対する根本的な治療とはいえません。
漢方薬はニキビができにくいように体質を改善させることを目的としています。漢方医学においてニキビは、体内で発生した余分な「熱」が皮膚に影響を与え、そこに外界の熱(風熱)の刺激が加わってできると考えます。そのため、体内のどこに熱がこもっているかを見極め、その熱を取り除き、余分な熱が発生しないように体のバランスを整えることで対処します。
臓器として関連が深いのは、肺と脾胃(消化管)です。皮膚呼吸と外呼吸の観点から皮膚は肺と関係しています。さらに肺は脾胃や大腸と関係することから、皮膚は消化管と関係するといえます。ニキビに限らず皮膚疾患の治療は、消化管に注目することが重要なコツです。
実際の治療は、ニキビの色(白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ)と成長や炎症の度合い、できやすい部位などから判断し、それに見合った漢方薬を服用します。
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