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品質管理への取り組み (QUALITY CONTROL)
残留農薬への取り組み

安全で安定した品質を保証するために

桂皮(ケイヒ)

クラシエでは生薬の生産現場である産地と連携し、生薬の情報の集約や品質基準に従った生薬の安定的な確保を行い、製品の安全性の向上に努めています。
安全で安定した品質を保証するために、原料生薬の受入時から最終製品に至るまでの工程において品質試験を行い、残留農薬が検出されないことを確認した上で製品を出荷しています。

残留農薬検査を実施し、安全性の向上に努めています。

表に示す通り、生薬の残留農薬基準に関しては、日本薬局方(18局)、日本薬局方外生薬規格2022に定められており、漢方製剤・生薬製剤に関しては、日本漢方生薬製剤協会において自主基準が設定されています。

※2023年現在

表: 生薬及び漢方・生薬製剤の残留農薬に関する基準
対象 基準 農薬種 農薬 適用
生薬 日本薬局方 有機塩素系 総BHC オウギ、オンジ、オンジ末、カンゾウ、カンゾウ末、ケイヒ、ケイヒ末、コウジン、サイシン、サンシュユ、シャカンゾウ、センナ、センナ末、ソヨウ、タイソウ、チンピ、ニンジン、ニンジン末、ビワヨワ、ボタンピ、ボタンピ末
総DDT
日本薬局方外生薬規格 有機塩素系 総BHC ケイシ,コウジン末,サンシチニンジン、サンシチニンジン末,サンシュユ末,チンピ末
総DDT
製剤 日本漢方
生薬製剤協会
有機塩素系 総BHC オウギ、オンジ、カンゾウ、ケイヒ、サイシン、サンシュユ、センナ、ソヨウ、タイソウ、チンピ、ニンジン、コウジン、ビワヨワ、ボタンピを配合する漢方・生薬製剤
総DDT
有機リン系 パラチオン オンジ、サンシュユ、ソヨウ、チンピを配合する漢方・生薬製剤
パラチオン
メチル
メチダチオン
マラチオン
ピレスロイド系 シペル
メトリン
オンジ、ソヨウ、タイソウ、チンピ、ビワヨウを配合する漢方・生薬製剤
フェンバレ
レート

クラシエではこれらの基準に加え、取り扱う全ての生薬及び製品に対し残留農薬検査を実施し、安全性の向上に努めています。

有機塩素系 ピレスロイド系 有機リン系

農薬の種類に合った検出器を選んでチェックしています。

生薬、エキス粉末及び製品は、有機溶媒で抽出し、試料溶液として精製されたのちガスクロマトグラフィ(GC)にて分析します。
農薬の分析で利用される代表的な検出器としては、MS(質量分析計)、ECD(電子捕獲型検出器)、FPD(炎光光度検出器)などがあげられ、それぞれ次のような特徴をもっています。

MS:
質量分析計
質量数により検出するため幅広い種類の農薬検出が可能になりますが、検出精度(感度)が劣る欠点があります。
ECD:
電子捕獲型検出器
ハロゲン、ニトロ基などに高い選択性をもつことから、有機塩素系やピレスロイド系などの農薬の検出に優れています。
FPD:
炎光光度検出器
リンや硫黄に高い選択性をもつことから、有機リン系農薬の検出に優れています。
クラシエでは、GC-ECD及びFPDを用いた農薬分析を行っており、必要に応じてGC-MSによる測定も行っています。使用時期が不規則な有機リン系農薬については特に注意をはらい、想定外の物質が含まれていても構造を推定できる方法で測定しています。
各検出器の特異性

次の結果はGC-ECD、GC-FPD及びGC-MSにて同一サンプル(標準溶液)を測定したクロマトグラム例で、各検出器による特異性はこのように視覚化されて現れます。
それぞれの検出器の特性を組み合わせることで、高感度に残留農薬を分析できます。

GC-ECD(電子捕獲型検出器)

GC-FPD(炎光光度検出器)

GC-NS(質量分析計)

生薬からクラシエ製品ができるまで

クラシエでは、原料生薬の段階で残留農薬検査を含めた様々な品質試験を行い、規格に適合し安全を確認した 生薬を使用しています。さらに、生薬個体によるバラツキの可能性を考慮し、均一な状態となったエキス粉末の段階で再度品質試験を行います。繰り返しの検査を行うことにより、品質を保証し、安全性を十分確認した上で製品を出荷しています。

check2 製剤品質チェック check2 エキス品質チェック check1 生薬品質チェック

スティック写真