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KB2スティック コンプライアンス向上への取り組み
1日2回服用 KB2スティックとは

服薬コンプライアンスへの影響

患者さんの服薬コンプライアンス向上を目指し

日本LCAが調査した結果では、1日の投与回数が少ないほど服薬コンプライアンスが良くなることが判っています。(Patient Voice 2002.1)

西洋薬服用患者さん 飲み忘れの多い時間帯と服用回数の関係

漢方薬服用患者さん 飲み忘れの多い時間帯と服用回数の関係

Patient Voice 2002.1
「医薬品の服薬コンプライアンスに関する調査」
監修: 全田 浩 (星薬科大学教授、日本病院薬剤師会会長)
1日の服用量について

クラシエの医療用漢方製剤は賦形剤を極力少なくし、有効成分であるエキスの含有率を高めることにより、可能な限り湯液に近いエキス剤を患者さんに服用して頂くことを企業ポリシーとしています。従いまして、弊社の漢方製剤はエキスリッチで服用量が少ないコンパクトな設計になっています。そうすることで分2にすると1回服用量が多くなるというデメリットを最小限にしています。

患者さんにとって分2のメリット

分2でも分3でも効果においては同等と考えており、効果はそのままで服用回数を減らすことで多くの患者さんの希望に沿うことができ、服薬コンプライアンスが高められると考えています。 特に昼間の飲み忘れをカバーできることや、昼間は仕事の関係で飲めないと言われる患者さんにとってはメリットは大きいと考えています。
また現在処方されている国内の医療用医薬品の売上げ上位30品目の内、1日の投与回数が1回ないし2回のものは70%を超え、さらには漢方薬が併用されるケースが多い慢性疾患治療薬剤の多くが1日1回ないしは2回の服用であります。クラシエは承認された用法・用量1日2~3回の範囲内で、服用回数を減らし、他の治療薬と服用回数を合わせることで患者さんの服薬コンプライアンスを高めることが出来ると考えています。
また、漢方薬を1日3回以上服用されている患者さんのうち、飲み忘れの多い患者さんでは、85%が服用回数を減らしたいと回答されています。(Patient Voice 2002.1)

西洋薬服用患者さん

漢方薬服用患者さん

スティック包装について

アンケート調査結果で患者さんが最も望む粉薬の包装形態がスティックであることが判っています。
66%(1,614人/2,446人)の人がスティック状の分包紙の方が飲みやすいと思うと回答しています。(Patient Voice 2002.1)
さらにスティック包装にすることで1回の服用量の増加に伴う患者さんの服用しづらさを軽減できると考えています。
また弊社社員による服用テストではありますが「スティックの方が大きな口を開けずに服用することができ、従来の分包品より飲みやすい」という結果が出ています。

あなたが飲みやすいと思う分包紙は?

効果への影響

分2と分3の効果について

1日あたりの服用量は変わりませんので、分3の製剤と同等の効果が期待できると考えています。
これは承認された用法『1日2~3回に分けて飲む』の範囲内であります。
漢方生薬の中では薬効成分が最も明らかな麻黄のエフェドリンの例でご説明いたします。分2で服用した場合、1回当たりの服用量は分3の場合の1.5倍になります。最高血中濃度(Cmax)は高くなりますが、2回目以降の服用ではエフェドリン血中濃度推移のパターンはCmaxに到達する時間(Tmax)の若干のずれはあるもののCmaxと最低血中濃度に大きな違いはありません。従いまして、分2でも分3の場合と効果に違いはないと考えています。

<参考文献>
医療用漢方エキス製剤投与後の血漿中指標成分濃度を指標とした投与スケジュールの改善
-分割投与回数の影響-
猪爪 信夫 (北海道薬科大学) 新薬と臨床 51,1,18-21,2002
医療用漢方エキス製剤の1日2回投与による有用性の検討(第1報)
―麻黄配合製剤の検討―
大原 紀彦 他 (起生会大原病院) Progress in Medicine 22,1,151-155,2002
医療用漢方エキス製剤の1日2回投与による有用性の検討(第2報)
―大黄配合製剤の検討―
大原 紀彦 他 (起生会大原病院) Progress in Medicine 22,1,156-158,2002
医療用漢方エキス製剤の1日2回投与による服薬コンプライアンスに及ぼす影響
―補中益気湯長期投与の検討―
大原 紀彦 他 (起生会大原病院) Progress in Medicine 22,1,159-162,2002

安全性への影響(1日量を分3投与から分2投与することによる安全性)

麻黄配合製剤について

1回あたりの服用量は増加しますが、エフェドリンとしての服用量は決して多いものではありません。 また、1日あたりの服用量に変わりはなく、副作用の発現率に差はないと考えています。 分2の場合、1回あたりの服用量は分3の1.5倍となりますが、エフェドリンの血中濃度シミュレーションの報告から分2の場合と分3の場合で、エフェドリンの最高血漿中濃度と最低血漿中濃度に有意差はなく副作用の発現率には差がないと考えています。

<参考文献>
医療用漢方エキス製剤投与後の血漿中指標成分濃度を指標とした投与スケジュールの改善 -分割投与回数の影響-
猪爪 信夫 (北海道薬科大学)  新薬と臨床 51,1,18-21,2002
甘草配合製剤について

甘草による副作用のうち、低K血症のような慢性の変化は一般に長期連用により発症しますので、1日服用量が変わらない限り分2も分3もリスクは同じといえます。
グリチルリチン酸の1回服用量が増えることで懸念されるのは、抗利尿作用による急性浮腫と考えられます。 直接比較した臨床データはありませんが、製剤中のグリチルリチン酸含量およびグリチルレチン酸の血中濃度パターンから、次のように推測されます。 グリチルリチン酸は腸内細菌の酵素で糖がはずされ、グリチルレチン酸となって吸収されます。腸内細菌の種類と量(細菌叢)には個体差がありますので、グリチルレチン酸の血中濃度推移には大きな個体差がみられます。また、グリチルレチン酸は血中に移行した後、腸肝循環をしますので、その血中動態はさらに複雑になります。 したがって、エフェドリンの場合と同じ方法では血中濃度のシミュレーションは正確にはできませんが、今回は単純化のために敢えて同じ方法でシミュレーション致しました。 その結果、分2で服用した場合も分3で服用した場合も、グリチルレチン酸の血中動態には大差がありません。したがって、分3では副作用が出ないが分2では出るという人はごく稀ではないかと推察されます。 なお、グリチルレチン酸の血中濃度は服用後3~4日で定常状態に達し、それ以上の蓄積はないと報告されています。

大黄配合製剤について

1回の服薬量を増量することで、「効きすぎ」による下痢の可能性があることは否定できませんが、便秘患者を対象にした下記の研究では、下痢の副作用は発生しませんでした。

<参考文献>
医療用漢方エキス製剤の1日2回投与による有用性の検討(第2報)
―大黄配合製剤の検討―
大原 紀彦 他 (起生会大原病院) Progress in Medicine 22,1,156-158,2002
間質性肺炎について

ご存知の通り薬剤性の間質性肺炎の発生機序には2つあります。1つは細胞毒性によるもの、もう1つはアレルギー性のものです。漢方薬による間質性肺炎発生機序は後者のアレルギー性機序が考えられています。アレルギー反応は微量成分でも起こり、特に1回の服用量が多くなったからといって用量依存的に発生頻度が上がるということはありません。従って、分2で1回の服用量が多くなり、そのために「薬剤性の間質性肺炎」の発生頻度が高くなる、ということはないと考えます。