肌老化は20代半ばくらいから始まり、30代に入るとシミやシワが目立つようになります。肌老化を少しでも遅らせ若々しい素肌を維持するためには、よりよいライフスタイルを送るとともに、肌老化のメカニズムを知って、アンチエイジング対策を行うことが大切です。
加齢によるシワは、肌のはりを保っているコラーゲン線維が減少し、弾力を失うことが原因です。コラーゲン線維の量は、女性ホルモン(エストロゲン:卵巣ホルモン)によってコントロールされています。エストロゲンは女性らしい体を形成したり、生理を起こして妊娠に備える作用を持っていますが、このほか肌の水分量やコラーゲンを増やす働きがあり、美肌づくりに深い関連があります。
エストロゲンの分泌量は20代半ば頃から徐々に減少し、これに伴い次第に肌はハリやみずみずしさを失っていきます。肌の弾力が低下してくると、最初に目立ってくるのが「毛穴の広がり」です。それが30代に入ると「シワ」に移行し、やがて「たるみ」となって「フェイスラインの崩れ」につながっていきます。
コラーゲン線維の減少で、段階的にさまざまな症状が現れる
シミの最も大きな原因は、紫外線によるダメージの蓄積です。肌は紫外線を浴びると、防御反応として大量のメラニン色素を生成します。つくられたメラニン色素は通常、皮膚の代謝(ターンオーバー)によってはがれ落ちるため、若い頃では約4週間で肌はもとの色に戻ります。
しかし、ターンオーバーの速度は加齢により遅くなり、40代になると約6週間かかるようになります。そのため、年を重ねるにつれて生成したメラニン色素がいつまでも肌に残るようになり、そのまま沈着してシミとなるのです。
紫外線によってメラニン色素が生成
メラニン色素は、表皮のいちばん下の基底層にあるメラノサイトが紫外線の刺激をうけたときに防御反応としてつくられる。
現在、多くの美容法が知られていますが、科学的根拠のない間違ったものもたくさんあります。最近では、活性酸素※に代表されるように、老化のメカニズムが科学的に解明されたことで、一昔前までは健康によいとされていたものが、実は老化を促進してしまうことがわかっています。
※活性酸素とは?
体内の細胞を酸化させ、老化を促進する物質。活性酸素が発生する原因には、紫外線、喫煙、激しいスポーツ、電磁波、ストレスなどがある。
美容法に対する考え方の変化
アンチエイジングの基本的な考え方は、老化させずに未然に防ぐことです。日常生活では、紫外線を避け、規則正しい生活習慣を心がけ、正しいスキンケアをすることが大切です。「気」「血」「水」の乱れがある場合は、漢方治療を行うこともあります。
◆シワ対策
肌に栄養を与え、角質を取って肌の新陳代謝を活発にするのが効果的。
◆シミ対策
メラニン色素の合成を防ぐ成分を中心に、美白成分を組み合わせて使うのが効果的。
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