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漢方で、体の中からキレイになる

漢方の基本的な考え方は、体や肌の不調を心身のバランスが崩れた状態ととらえることです。「なんとなく調子が悪い」「肌が荒れる」といった不調は、西洋医学ではこれといった原因がみつからず治療ができないことがあります。一方、漢方ではこうした不調を心身のバランスが崩れた状態ととらえ、肌のトラブルに対してもバランスを整える治療を行います。西洋薬や化粧品が体の外から肌に働きかけるのに対して、漢方は体の中に働きかけて肌トラブルを起こさない体質づくりをサポートします。

体質を改善して、健康で美しい肌をつくる

漢方治療はテーラーメイド-東洋医学的にさまざまな角度から診断

美容皮膚科で漢方治療を行う症状には、「にきび」や「湿疹」、「アトピー性皮膚炎」や「円形脱毛症」などがあります。いずれの症状に対しても、漢方薬を処方するときには、東洋医学的な診断(望診、問診、腹診、舌診、脈診)をすべて行い、証(体質・症状)を判断します。例えば同じ「にきび」でも症状や体質は一人ひとり異なります。こうした点にも目を向けて、その人に合った漢方薬を選ぶのです。

美肌をつくる「気」「血」「水」のバランス

漢方を取り入れるときに知っておきたいのが「気」「血」「水」の理論です。漢方では「気」「血」「水」の3つの要素が全身をめぐっていると考えます。これらが何の異常もなくバランスよく全身をめぐっている状態を健康とみなします。一方「気」「血」「水」に異常が起こると体の不調や肌トラブルが生じます。

体を構成している「気」「血」「水」
図をクリックするとそれぞれの説明にリンクします。

「気」生命エネルギー 「血」血液とその働き 「水」血液以外の水分

気 - 生命エネルギー

気は、人間の体を活動させる根本的な生命エネルギーのことで、いわば元気の素です。気の異常には、「気虚」と「気滞」があります。「気虚」は、気が不足した状態で、「気滞」は、気の流れが滞った状態です。

気虚(気が不足した状態)

気は、食べたり、呼吸したり、休息をとることで生産され、心身の活動によって消費されます。消費が生産を上回ったり、食べたものがうまく消化されないと、気虚になります。

主な症状 なんとなくだるい、疲れやすい、やる気が起きない など。
肌への影響 気はものを引き上げる力があるので、気が不足すると、肌のたるみを引き起こし、年齢よりも老けてみえる原因になる。
改善策 ・消化のよい食事(米や玄米)を十分にとり、気の産生を促す。
・質のよい睡眠をとる。
・疲れたときは、無理せず休んで気を補う。
漢方処方 補中益気湯  六君子湯  十全大補湯 など
気滞(気が滞った状態)

気の流れが滞ると、全身にエネルギーがゆきわたらなくなり、さまざまな症状を引き起こします。

主な症状 イライラ感、落ち込み、月経前症候群 など。
肌への影響 気の流れは、肌に栄養を運ぶ血の流れにも大きく影響するため、「気滞」になると肌に栄養がいかなくなり、吹き出物ができやすくなる。のぼせや急な発汗も起きやすい。
改善策 ・気分転換してリラックスする方法をみつける。
・たくさん食べて、大いに動き、たっぷり寝るとよい。
漢方処方 半夏厚朴湯  など

血 - 体中をまわって酸素や栄養を与える

血は、血液そのものに加え、血液が体じゅうに栄養分をめぐらせる働きを意味します。血の異常には、「お血」と「血虚」があり、女性多いのが特徴です。「お血」は、血の流れが滞った状態で、「血虚」は、血が不足した状態です。

お血(血の流れが滞った状態)

お血の原因は、無理なダイエットや冷え、喫煙、ストレス、きついガードルで体を締めつけることなどです。

主な症状 イライラ、不安、月経痛が強い、指先や手足の冷え など。
肌への影響 血は体中を流れながら肌に栄養を運んでいるため、血のトラブルはお肌の大敵。「お血」になると、にきびやクマ、目の周りのシミなど、あらゆる肌トラブルが生じる。
改善策 ・体を冷やしたり、締めつけないようにする。
・タバコを控える。
漢方処方 当帰芍薬散  加味逍遙散  桂枝茯苓丸 など
血虚(血が不足した状態)

女性は、生理、妊娠、出産、授乳によって血が大量に失われるため、男性よりも血虚になりやすいといわれています。

主な症状 不眠、集中力低下、立ちくらみ、月経血が少ない など。
肌への影響 肌に栄養を運ぶ血が足りなくなると、肌が乾燥し、湿疹もできやすくなる。また爪ももろくなり、髪もパサパサになる。
改善策 ・栄養バランスに注意し、黒色の食物(ひじき、黒ゴマ、プルーン、など)を多くとる。
漢方処方 十全大補湯  四物湯  人参養栄湯 など

水 - 血液以外の水分

水はリンパ液、消化液、唾液、汗など、血液以外の体液を指します。水のトラブルには「水毒」があります。「水毒」とは、体の中に余分な水がたまった状態です。

水毒(水分が過剰になりたまった状態)

水分のとり過ぎ過剰な水分は、その人のいちばん弱いところにたまるので、関節痛や鼻炎症状を引き起こすこともあります。

主な症状 むくみ、めまい、吐気、雨の日の頭痛や不調 など。
肌への影響 体がむくんで太って見える。肌の代謝も悪くなり、ジクジクした湿疹や水泡ができやすい。
改善策 ・水分をとり過ぎないようにする。
・コーヒーなど刺激物をできるだけ控える。
・運動不足を解消し、水分代謝を高める。
漢方処方 五苓散  真武湯  半夏白朮天麻湯 など

※「水」が不足することがあるかというと、日常生活の中では脱水などになることもほとんどないため、通常は問題にしません。むしろ水の過量すなわち水毒が圧倒的に問題となるのです。

漢方の目でみる肌トラブルの原因

肌のトラブルには「なんとなく肌があれる」「思春期を過ぎたのに、にきびが治らない」といったものから、「アトピー性皮膚炎」や「円形脱毛症」などさまざまな症状があります。いずれのトラブルでも原因として「ホルモンバランスの乱れ」「胃腸のトラブル」「ストレス」が考えられます。「肌は内臓の鏡」という言葉があるように、これらの原因が絡みあって心身のバランスが崩れると肌にトラブルが起こるのです。

原因1
ホルモンバランスの乱れ―わずかな乱れが肌に影響する
ホルモンバランスの乱れといっても、西洋医学的な異常があるとは限りません。わずかにバランスが乱れた状態でも肌に影響を及ぼすため、検査をしても異常が見つからないことが多いのです。ホルモンバランスを乱す原因には、不規則な生活やストレスなどが考えられます。
原因2
胃腸のトラブル―胃腸が治ると肌がキレイになることも
慢性的な便秘や下痢、消化不良などの胃腸のトラブルも肌に影響を及ぼします。胃腸が悪いと薬が飲めないことが多いので、このような場合は、たとえ遠回りでも、まず漢方で胃腸のトラブルを治療します。胃腸の症状が治っていくに従い肌トラブルが改善することもよくあります。
原因3
ストレス―「変化」はすべてストレス。自覚するのが難しい
ストレスは、気の流れを乱しホルモンバランスにも悪影響を及ぼします。医学的にいうストレスとは、転職、昇進、引越し、海外旅行など、本人にとっては嬉しい変化も含まれます。忙しい生活があたり前になって、ストレスがあることに気づかない場合もあります。