●対象者について | ●使用方法について | ||
●生活上の注意について | ●有害事象安全性について | ||
●成分(フェノトリン製剤)について | ●その他 |
推奨度A | : | 行うよう強く勧められる | |
推奨度C1 | : | 行うことを考慮してもよいが十分な根拠がない |
妊婦、産婦への投与は可能ですか? |
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ使用してください。妊娠中の婦人に対する使用経験がなく、安全性は確立していません。 疥癬診療ガイドライン(第3版)では推奨度C1となっています。 |
授乳婦への投与は可能ですか? |
乳汁に移行する可能性があるため、授乳婦への使用は避けることが望ましいですが、やむを得ず使用する場合は授乳を避けるようご指導ください。 疥癬診療ガイドライン(第3版)では推奨度C1となっています。 |
小児への投与は可能ですか? |
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していません(使用経験がありません)。<使用方法についてQ2参照> 疥癬診療ガイドライン(第3版)では推奨度C1となっています。 |
アトピー性皮膚炎などでステロイド外用薬を塗布している方が疥癬に罹患した場合どのようにすればよいですか? |
疥癬治療を優先するため、基本的には免疫抑制薬やステロイド等はいったん中止してください。使用が中止できない場合には、範囲をできるだけ最小限とし、並行して疥癬の治療を行ってください。 |
合併症をもつ患者で、特に注意する事はありますか? |
基本的にはありませんが、免疫抑制薬やステロイド等を使用している場合は、いったん中止してください。使用が中止できない場合には、できるだけ最小限とし、並行して疥癬の治療を行ってください。<対象者についてQ4参照> |
疥癬の痒みが強い場合はどうすればよいですか? |
疥癬診療ガイドライン(第3版)では「非鎮静性の第2世代抗ヒスタミン薬を投与することが望ましい」となっております。 |
ヒゼンダニがみつからないが疥癬と思われる場合は使用してもよいですか? |
疥癬診療ガイドライン(第3版)では、ヒゼンダニが見つからない場合でも、確定診断された患者と接触の機会があり、かつ疥癬の臨床症状を明らかに呈する患者に治療を行うこととなっております。 |
重症の疥癬(角化型)にも効果はありますか? |
本剤はヒゼンダニに対して効果を発揮しますので、角化型にも効果があると考えられます。<使用方法についてQ5参照> 疥癬診療ガイドライン(第3版)では推奨度A、委員会判断となっています。 |
爪疥癬にも効果はありますか? |
本剤はヒゼンダニに対して効果を発揮しますので、爪疥癬にも効果があると考えられますが、データはありません。疥癬診療ガイドライン(第3版)では、フェノトリンローション単独、あるいはサリチル酸含有ワセリンなどの角質溶解剤と重層塗布して24時間程度の密封療法を行うこととなっています。 |
アタマジラミ症、ケジラミ症に使用してもよいですか? |
本剤の適応はあくまでも疥癬のみとなります。 |
推奨度A | : | 行うよう強く勧められる | |
推奨度C1 | : | 行うことを考慮してもよいが十分な根拠がない |
1回の塗布量は? |
1回1本(30g)を頸部以下(頸部から足底まで) の皮膚に塗布して下さい。<使用方法についてQ2参照>ただし、小児では体表面積が小さいことから、1回塗布量を適宜減量してください。また、体の大きい方で1本では不足するような場合には適宜増量も必要と考えます。 |
どこに塗布すればよいですか? |
通常の疥癬では、頸部以下(頸部から足底まで) の全身にくまなく塗布してください。特に手足、指の間、足の裏、外陰部、おしりの間、わきの間、しわの間等は塗り残しが多くなりやすいですので、特に注意してください。また、角化型疥癬の場合には、疥癬診療ガイドラインに従い、頭部を含めた全身に塗布します。 |
陰部には、どこまで塗布しますか? |
尿道の中と小陰唇の内側は粘膜のため、使用しないでください。 |
症状が出ているところに重点的に塗布してよいですか? |
症状のある所だけにヒゼンダニがいるとは限りません。症状があるところに重点的に使うことよりも、症状が出ていない部分にも塗り残しなく全身に塗布することが重要です。 |
イベルメクチンとの併用は可能ですか? |
疥癬診療ガイドライン(第3版)では角化型疥癬のような重症型疥癬には外用薬と内服薬の併用を推奨しています。 疥癬診療ガイドライン(第3版)では推奨度A、委員会判断となっています。 |
他の外用剤との併用は可能ですか? |
本剤塗布中の塗布部位への併用は避けていただき、本剤洗浄後に他の外用薬をお使いください。ただし、免疫抑制作用のある薬剤やステロイドの使用は疥癬を悪化させますので、原則として使用はお控えください。<対象者についてQ4参照> |
角化型疥癬では耳介に病変が生じる事がありますが、使用してもよいですか? |
耳の奥に入らないように慎重に塗布してください。 |
塗布後12時間は洗浄除去を控えるとありますが、いつまで塗ったままでよいですか? |
基本的には塗布後12時間以上経過した後、入浴時等に洗浄・除去してください。なお、健常人での臨床試験では、72時間適用した場合でも血中濃度に大きな相違はなく、有害事象も認められませんでした。 |
薬剤が残ってしまった場合、次回(1週間後)使用可能ですか? |
使用は可能と考えられますが、原則、患者様1人に、1回につき1本(30g)を使い切ってください。<使用方法についてQ1,Q2参照> |
1度の処方は何回分まで可能ですか? |
用法・用量から2回分までと考えます。但し、添付文書上では「2 回目塗布以降は1 週ごとに検鏡を含めて効果を確認し、再塗布を考慮すること」となっております。 |
塗布後に飼育動物の世話等を行ってもよいですか? |
本剤は特に魚類や昆虫等に対しては毒性が高いため、本剤を洗い流すまでは飼育動物の世話はお控えください。 |
塗布後に運動をしてもよいですか? |
運動をすること自体に問題はありませんが、汗で流れてしまう可能性もありますので、過度な運動は避けてください。また、塗布後12時間は薬剤が付着した状態を保つ必要がありますので、水泳や運動後のシャワー・入浴は避けてください。 |
塗布後、すぐに衣類を着用しても大丈夫ですか? |
薬剤が乾いてから、衣類を着用してください。 |
塗布後洗い流すまでの間に日光を浴びても大丈夫ですか? |
光パッチテストにおいて安全性が確認されていますので、一般的な生活で浴びる紫外線の量では問題がないと考えています。 |
副作用にはどのようなものがありますか? |
国内臨床試験における安全性評価対象症例102例中8例(7.8%)に皮膚炎等の副作用(臨床検査値異常を含む)が認められました。ただし、重篤な副作用は認められませんでした。<添付文書1ページ目右上〔使用上の注意〕1.参照)> |
局所の副作用(皮膚炎等)が出た場合の対処は? |
速やかに洗浄し、使用を中止する等、適切な皮膚科的処置をしてください。 |
潰瘍、びらんに塗ってしまったが考えられる悪影響はありますか? |
特段の影響はないと考えられますが、塗布の際には避けるようにしてください |
粘膜に塗ってしまった場合の対処は? |
大きな問題はないと考えますが、気がついた時点で洗浄し、処置が必要と判断される場合は適切な処置をしてください。 |
目に入ってしまった場合の対処は? |
水またはぬるま湯で十分に洗い流してください。 |
誤って飲み込んでしまった場合の対処は? |
本剤の誤飲による中毒の心配はほとんどないと考えております。 誤飲により何らかの症状があらわれている場合には、胃洗浄や吸着剤と塩類下剤の投与などの排出処置、また、必要に応じて追加治療を適切に行ってください。 |
添付文書には2回目以降は1週毎にとなっていますが、1週間空けずに連続使用してしまった場合、どのような問題が考えられますか? |
本剤は体内に吸収された後、速やかに代謝されます。代謝物(3-phenoxybenzoic acid)にも蓄積性はないことが臨床試験データより確認されているため、大きな問題にはならないと考えられます。 ただし、ヒゼンダニのライフサイクルから推測しますと、1週間以内の投与の場合、効果が不十分となる可能性がありますので、1週間目に再度投与することを考慮ください。 |
作用機序は? |
神経細胞のNa+チャネルに作用し、その閉塞を遅らせることにより反復的な脱分極あるいは神経伝導を遮断することで殺虫作用を示すとされています。 |
薬物動態は? |
本剤は大部分が皮膚表面に留まります。体内に吸収された未変化体は速やかに代謝を受け、主に尿中に排泄されると考えられます。 |
海外ではフェノトリンは疥癬に使用されていますか? ? |
本剤は日本で疥癬治療薬として開発され、現在のところ日本でのみ承認され、使用されています。 |
スミスリンの保存方法は? |
高温、直射日光を避け、室温で保存して下さい。 |
包装単位は? |
30g×2本となりますが、1本ずつの処方が可能です。 |
各種コードは? |
薬価基準収載医薬品コード:6429700Q1021 レセプト電算処理コード:622350401 JANコード:4987045480119 GS1コード:販売(01)14987045480116/調剤(01)04987045480102 HOTコード:123504301 |
患者向け資材はありますか? |
先生方から使用方法等を説明していただくための下敷きをご用意しております。下敷きの表面は使用説明書として製剤の個装箱の中にも入っております。ホームページ上でご紹介しておりますのでご覧ください。 |