はじめに
スミスリンローション5%(一般名:フェノトリン)は、疥癬の治療を目的とした外用薬です。本剤の有効成分であるピレスロイド系化合物のフェノトリンは、神経細胞のNa+チャネルに作用し、その閉塞を遅らせることにより反復的な脱分極あるいは神経伝導を遮断することで殺虫作用を示すとされています。
製品特性
- 1.本剤はフェノトリンを有効成分とする国内で唯一の疥癬治療薬です。
- 2.殺ダニ作用とダニ増殖抑制作用が認められます。
- 3.疥癬患者に対する有効率は92.6%(88/95例)であり、有効症例の治癒状態は判定4週後も維持していました。
- 4.副作用発現率は7.8%(8/102例)です。
開発の経緯
疥癬は、ヒゼンダニ(疥癬虫、Sarcoptes scabiei var.hominis)が皮膚角質層に寄生することにより発症する皮膚感染症ですが、国内での治療は内服もしくは院内製剤等により行われてきました。
一方海外では、ピレストロイド系化合物であるフェノトリンと同類のペルメトリンを含有する外用薬が疥癬治療の第一選択薬として使用されています。
このような社会的背景から、国内でも疥癬治療に使用できる有効かつ安全な外用薬を望む声が多く、クラシエ製薬株式会社は、ピレスロイド系化合物であるフェノトリンを有効成分とするローション剤を疥癬治療外用薬として住友化学株式会社と共同開発するに至りました。
疥癬患者を対象とした一般臨床試験では、疥癬に対する本剤の有効性と安全性が認められたことから、本剤は「疥癬」を適応症として2014年3月に製造販売承認を取得しました。
商標について
スミスリンは、住友化学の登録商標です。
- 2016.09.15
- 適正使用ガイドが改訂されました。
- 2015.05.13
- 投薬期間制限解除のご案内を追加いたしました。
- 2015.04.16
- 「市販直後調査」結果報告書を更新しました。
- 2015.03.18
- インタビューフォームを更新しました。
- 2014.11.19
- 学会記録集を追加しました。
- 2014.08.25
- くすりのしおり・製品写真(ボトル)を追加しました。